本格的な就職活動が始まる前段階として、学生は将来自分が目指している分野の下見もかねて、各企業が開催しているインターンシップへの参加を検討し始めます。もちろん「デザイナー志望者向けのインターンシップはあるのかな」「面白いプログラムの企業はないかな」と考える学生の気をひいて参加してもらうことができれば、企業側にも嬉しいメリットがたくさん。そこで今回は、インターンシップを開催するうえで、学生と企業がお互いにメリットを生むための重要なポイントを解説していきます。

デザイナー志望の学生がインターンシップに参加する目的は?

就職活動を始める際、漠然とデザイン関係の仕事に就きたいと思って志望動機を考えるものの、実体験がないと面接で苦しい場面に出くわすことが多々あります。常に「なぜ?どうして?」を追求される就職活動において、仕事に対する曖昧な認識で動機を伝えるのはご法度。志望業界の仕事を垣間見て、自分が具体的に何をしたいのか、どんな風になりたいのかを考えることができるインターンシップは、学生たちにとっても頼みの綱となっているのです。

もちろん、インターンシップに参加する学生の目的は「本当にこの分野でやりたいことができるのか確かめたい」「OBOGのアドバイスが欲しい」「デザイナー志望の同志が欲しい」など多種多様。中には「インターンシップに参加して、志望企業を決める」という声もあります。優秀な人材を確保したいと考えている中小企業やスタートアップは、開催しないと貴重な学生との出会いを失うことになります。

そうならないためにも、インターンシップを開催する際はぜひ「実務体験」「社員との交流」を念頭にして、学生のニーズを満たしてあげるようなプログラムを組んでくださいね。

【まとめ】学生がインターンシップに参加する理由

  • OBOGのアドバイスが欲しい
  • 実際の仕事内容を知りたい
  • デザイナー志望の同志が欲しい

企業がインターンシップを行うメリットとは?

おわりに

優秀な学生と出会えるだけではなく、企業PRとしても活用できるという点は、インターンシップを開催するひとつのメリットだと言えます。前述したように、インターンシップに応募する学生は「気になっている業界の仕事を体験してみたい」という意志を持って参加する方が多いです。そのため、気になった企業であればその規模を問わず、申し込みをする傾向があります。「就職するなら大手の企業に入りたい」と考えている学生でも、意識が変わるような興味深いインターンシップを開催すれば、本採用に繋がるきっかけを作ることができるのです。

さらに学生から魅力を感じてもらうために、インターンシップに組み込んでおく必要があるプログラムの1つが、社員と一緒に働く機会を与えることです。実際に会社が行っているデザイン制作に携わり、制作フローやチームの動きを体験することは、学生にとって非常に貴重な経験です。会社に入社した後、どんな人たちとどんな作業をしていくかも想像ができるので、学生のモチベーションと志望度を引き上げることができるのです。

学生は「一緒に働く人の雰囲気」も企業を選ぶ条件の1つとしているので、インターンシップを通して、その点もしっかりPRすることが重要となってきます。現在の学生が企業選びで大切にしていることは何か、しっかりニーズを把握したうえで、インターンシップを開催してくださいね。

【まとめ】企業がインターンシップを行うメリット

  • 優秀な人材の発掘に繋がる
  • 企業のPRができる
  • 学生の企業への志望度が上がる

インターンシップを実施する際の注意点

【企業の方針】インターンシップを開催する目的を明確にする

インターンシップを開催する際は、「学生とのミスマッチを減らしたい」「仕事を知ってもらいたい」など、どのような目的でインターンシップを開催するのかをしっかり定める必要があります。そしてその目的に沿って、学生のニーズを考慮したプログラムを作成することが重要です。もし対象にする学生のニーズが分からない場合は、各種機関の協力を得て、事前に「インターンシップで学びたいこと」を学生にヒアリングするのもおすすめですよ。

【プログラム】短期or長期、有給or無給

一般的なインターンシップは、「短期or長期」「有給or無給」を掛け合わせた4タイプが存在しています。一概には言えませんが、1~7日、長くて1カ月程度の短期型インターンシップは無給、3カ月~1年の長期型インターンシップは有給を採用する傾向があるようです。企業がインターンシップを開催する際、短期か長期のどちらを採用するかは、実施するプログラムの内容に大きく左右されます。実践を行うインターンシップの場合、一通りのフローを体験してもらうために長期型のインターンシップを開催する必要があります。一方でワークショップや説明会の延長のような、実務を伴わないインターンシップの場合は、短期で事足りるといえるでしょう。

季節ごとに、目的に合わせたインターンシップを開催している企業もあります。まずは短期インターンシップで企業への興味・関心を高めてもらい、需要があれば長期インターンシップを開催するというフローも効果的です。

【トラブル対策】インターンシップ専用窓口を設ける

社会人経験がない学生は、守秘義務の重要性をきちんと理解していないことがあります。社外に出してはいけない資料や、まだ公にされていない情報をSNSに投稿してしまい、トラブルの原因になる恐れが常に付きまとっていることを認識していなければなりません。この最悪の事態に備えて、事前に誓約書を交わすことを忘れないようにしてください。

また、ビジネスシーンで社会人と触れ合ったことのない学生の中には、「1つのミスが採用に響くかも」という不安やプレッシャーと闘いながら、インターンシップに参加している人もいます。インターンシップの開催が決定した際は、専用の部署や担当者を準備して、開催期間中のトラブル対策や学生の相談対応を行うようにしてください。

【まとめ】インターンシップを実施する際の注意点

  • インターンシップを開催する目的を明確にする
  • プログラムの期間・給与の有無を開催内容に沿って決める
  • トラブル対応窓口を設ける

関連機関の連携を密に!インターンシップ開催のデメリットを軽減

インターンシップを実施する際の注意点

インターンシップを開催する際に気になるのが、募集プロモーションにかかる経費ですよね。もちろん自社サイトに掲載するだけで、学生が集まってくる知名度の高い企業ならば問題はありません。しかしスタートアップや小規模の企業の場合、リクルートサイトに掲載したり、合同企業説明会に出展したりする必要が出てきます。そこで学生が応募してくれれば問題はありませんが、アクションがなければ費用は無駄になってしまうことも。

そんな状況を回避するためには、大学や役所等の各機関と密な関係を築いておく必要があります。「インターンシップ 受入企業 募集」と検索すると、学生のインターンシップ受入先を探している施設が出てきます。その中から一度コンタクトを取って、関係を構築してみてください。

おわりに

デザイナー志望の学生と出会えるだけではなく、企業の魅力を知ってもらうきっかけにもなるインターンシップ!注意しなければならないのは、実施の際、開催目的を社員にきちんと説明しておくこと。社内理解を得ていないと、社員の態度やモチベーションが低くなり、学生が会社に対してマイナスなイメージを持ってしまう恐れがあります。この事態を防ぐためにも、はじめてインターンシップを開催するときは入念に準備しましょう。

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