今回の採用成功インタビュー:株式会社ナレッジセンス

株式会社ナレッジセンス
代表取締役
門脇 敦司さん

1997年生まれ、東京大学在学中。株式会社マナボで営業インターンとして在籍中にM&Aを経験。その後独学でプログラミングを習得しエンジニアへ転向。2019年4月に株式会社ナレッジセンスを設立。2020年末にVRバトルロイヤルゲームをリリース予定。

ナレッジセンスは、2019年4月に設立。「VRナイトクラブ」「VRシューティングゲーム」の試作開発を経て、現在は「VRバトルロイヤルゲーム」(2020年末リリース予定)の開発を進めています。

同社はゲーム開発の体制強化のため、『ViViViT』を用いて、即戦力クラスのフリーランスデザイナーを2名採用しました(うち1名はフルタイム勤務)。

知名度がない」「飛び抜けて高い給与は出せない」そんなスタートアップ企業が、いかにして即戦力クラスのデザイナーを採用したのか。今回は本採用活動の詳細をお聞きしました。

今回の採用成功ポイント

▼テーマ
知名度ゼロでも「即戦力デザイナーを採用する」には

▼課題
・設立2年目、会社の認知度はゼロ
・開発初期段階、リリース実績なし
▼対策
・自社の強みを見極め、一点に絞って訴求
・「ここで働く価値はなにか」的確にメリット提示
▼成果
・即戦力となる3DCGモデラー&コンセプトアーティストを採用
・メンバー一人ひとりの「採用への意識」が高まる

デザイナー採用は「喫緊の課題」だった

ーーまずは、御社の事業内容について教えてください。

現在は、「VR型のバトルロイヤルゲーム」(以下、バトロワ(※1))の開発を進めています。リリースは2020年末を予定しています。このジャンルは『荒野行動』『フォートナイト』などが有名ですね。

※1…バトルや探索をしながら最後の1人になるまで倒し合う、コンピュータゲームジャンルの一つ。

なぜVRに着目したかというと、実は元々クラブDJをやっていまして、「VRナイトクラブ」を作りたかったんですね。日本のクラブって、「ナンパが多い」「タバコ臭い」のイメージが強く、とても行きづらい場所になってしまっている問題があります。

もっと色んな人が、純粋に音楽を楽しめる空間があったらいいなと思ったときに、VRだと現実にあるような不快感は生まれないなと。また、ライブ・クラブの音楽配信をスマホで受動的に聴くのとは異なり、VRでは現実と同じように能動的な参加ができます。

ただ、「VRナイトクラブ」を作るとなると、やることがあまりにも多く……。VR開発をより簡単にするツール自体を作ったほうが早いなと感じたので、VRゲーム開発と並行してVR開発キットの構想を考えています。将来的に、「VRナイトクラブ」も必ず作りたいですね。

ーーVRゲームの開発体制や、デザイナー募集の背景も教えてください。

採用した方も含め8名で開発しています。エンジニアが3名、アバターや背景を制作する3DCGモデラーが3名、コンセプトアーティストが1名、僕もディレクター兼背景制作として携わっています。今回は、3DCGモデラー1名とコンセプトアーティスト1名を募集・採用しました。

私含めエンジニアが中心となって創業したので、どうしてもビジュアル面が弱いという課題がありました。リリース時期も固めていますので、即戦力ですぐにコミットできるデザイナーが要るなと。デザイナーの採用は、ゲームをリリース・収益化させるために喫緊の課題でした。採用活動では、第一に作品実績で判断したかったので、事前にポートフォリオを見てスカウトを送れる『ViViViT』を利用させていただきました。

ーー3DCGモデラーとコンセプトアーティスト、それぞれどのような方にスカウトを送られましたか?

3DCGモデラーは「街や自然などの大規模な3Dモデルを作ったことがあるか」、コンセプトアーティストは「背景とキャラクターを組み合わせて描いているか」「目的から逆算して描いているか」で、大きくスクリーニングしました。

今回の要件に当てはまる方は、市場的に決して多くありません。スマホやマグカップといった小物の3Dモデルを作ったことがある方、キャラクター単体なら描ける方は多いのですが……。『ViViViT』では、要件に即した作品を登録されているかどうか、ポートフォリオを念入りに見ながらスカウトを送りました。

知名度ゼロ……突破口は「VR×バトロワ」

ーー採用活動で、なにか課題はありましたか?

公にリリースした開発タイトルがないので、まったく知名度がないことですね。どんな会社かわかりづらいため、基本的に怪しまれてしまう。そんななかで、どうすればジョインしてもらえるかは非常に考えました。

資金調達の際に、「相手のメリットを示す」ということを意識してベンチャーキャピタルにプレゼンしたのですが、採用においても、「この事業がいかに面白いか」「あなたにとってどれぐらい価値があるか」を丁寧に伝えるようにしました。私たちのようなスタートアップは、強みをしっかり見極めて「面白い環境」をどれだけ提示できるかが重要だと思います。

ーー「面白い環境」と感じてもらうために、具体的にどのようなことを伝えましたか?

まずスカウトメッセージで興味を持ってもらう必要がありますが、「学生が起業したスタートアップ」を訴求しても不安になるだけだと思いました。

なので、それはユニークな事実として伝えつつも、「VR×バトロワ」を唯一無二の面白さとしてメインで訴求しました。また、「ポートフォリオのなにが良くてスカウトしたのか」も必ず伝えるようにしました。

バトロワはプレイヤーがいま非常に増えていて、スマホゲームアプリで一番収益を上げているアプリはこのジャンルになります。そこに更にVRが加わることで、興味を持ってくださる方はとても多かったです。面談では、バトロワの市場成長を絡めながら、開発タイトルの成功の可能性についても説明しました。

また、開発初期段階ということもあり、3DCGモデラーは責任者クラスとしての採用も検討していました。なので、大きな裁量を持って開発されたい方には「意欲があれば企画提案から関わることもできます!」ということも伝えました。

ゲーム開発あるあるとして、下請け業務ばかりで全然ゲームの中身に関われないことも多いんですね。ただ言われたものを作るのではなく、「レベルデザイン(※2)も一緒に考えられる」というのは面白い環境の一つとして売りにしました。

※2…コンピュータゲームの難易度の作成に関するゲーム開発分野の一つ。

代表が率先して、採用活動の「旗振り役」を

ーー門脇さん一人で採用活動を進められたと伺っていますが、どういったことに苦労されましたか?

採用活動の経験はまだまだ少ないので、基本的な対応が抜けてしまっていることがありました。そこは、『ViViViTのカスタマーサクセスの方に手助けいただきました。

「信頼性の観点で資本金は記載しないといけない」「中途の場合、権利上の関係で一般公開できない作品も多いので個別で見せてもらったほうがいい」など、一つひとつアドバイスをいただき修正しました。

ーーお役に立てて良かったです!今回の採用活動を経て、なにか学びや気付きはありましたか?

代表の私が採用活動の旗振り役になったことで、メンバー一人ひとりの採用への意識が以前よりも高まったと感じます。

デザイナーの採用活動とは別に、メンバーの一人が優秀なエンジニアを紹介してくれまして、無事その方を採用することができました。改めて、リファラル採用は促進すべきだと思いましたし、なにより私の行動がいかにメンバーの意識に影響を与えるかを強く実感することができました。

人事を雇うフェーズではないスタートアップは、採用を誰か一人に任せるだけではいけないなと。会社の成長には、採用に対して全員が当事者意識を持つこと、そのために代表が率先して動くことが大事だと学びました。

ーー最後に、今回の採用活動を振り返って一言お願いします。

今回採用した3DCGモデラーの方はフルタイム勤務でして、「フルタイムでコミットしてほしいですが飛び抜けて高い給与は出せません……」ということを面談で伝えていました。決して好条件ではありませんでしたが、取り組んでいるVRゲーム開発に強い感心を持ってもらい、弊社へのジョインを決めていただきました。

振り返ると、「VR×バトロワ」という強みの見極めが良かったなと思います。それこそ、「学生起業家」「資金調達済」を訴求する可能性もありました。ただ採用活動を進めるなかで、「VR×バトロワ」は私たちが思っていた以上に興味を引くものだとわかりました。事業の新規性や裁量が大きい開発体制が「求める人材層」に上手く刺さったのだと思います。

今は最低限の人数で開発していますが、リリース後の運用を考慮すると今の2,3倍の人数が必要になりますし、別タイトルの構想も考えています。ということで、「絶賛採用中です!」ということをお伝えして締めたいと思います(笑)。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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