「初めてのグラフィックデザイナーの採用で、今まで経験が無かったので苦労した」という声を聞くことがあります。また「何度か募集をかけているけれど、どうやって最終的にグラフィックデザイナーを選んだらいいか?」という疑問の声も寄せられています。
今回は、そんなお悩みを抱えた人事や採用担当の方のため「グラフィックデザイナーの選考課題とスキル評価のしかた」について、詳しく解説していきます。
応募総数が多い時の<課題審査>
書類選考を通過後、「本当にそのグラフィックデザイナーに仕事が頼めるか」を判断するためスキルを細かくチェックする必要があります。ただ、応募総数が多い場合は全員と連絡を取り合うのは時間的になかなか難しいかもしれません。その場合、二次審査としてグラフィックデザイナーに課題を設けるという方法があります。応募者が個別に作業し、データを送ってもらう形で実施します。
例えば、このような形式で課題を出します。あくまでも例なので、課題審査の際の参考にしてみてください。
対象:審査を通過したグラフィックデザイナー
【課題審査のお知らせ】
課題:バナーの作成
【サイズ】
〇pixel×〇pixel
【形式】
jpeg
【内容】
弊社の「〇〇〇」をPRするWeb用のバナー
・URL:https://
・ターゲットは〇〇〇。
【目的】
「〇〇〇」の購買意欲を促進するため
【必須項目】
「〇〇〇」という文言を必ず入れて下さい。
【ルール】
〇〇のため、〇〇〇という表記は避けて下さい。
【使用する写真やロゴについて】
メールで添付した、〇〇〇ファイルからダウンロードして下さい。
締め切り:〇月から〇日まで
- 内容について
バナーやポストカード、名刺など比較的簡単な課題が適しています。冊子や細かいチラシなど複雑なものは時間がかかるので、避けましょう。 - 目的について
課題を提案する意図はしっかり伝えましょう。自由度の高い課題を出すことで、グラフィックデザイナーのアイデアや企画力が分かります。 - 表記について
企業としてのNGワードは明記しておきましょう。 - 素材について
使用して良い写真やロゴをあらかじめ何点か用意しておくとスムーズです。写真の容量がが重く、メールで送れない場合はギガファイル便で送ることができます。
課題審査の際のチェック項目は?
課題審査では、グラフィックデザイナーとして基本的なスキルやクオリティ、企画力などを主に判断します。知っておきたい7つのチェック項目はこちらです。
【7つのチェック項目】
【その1】サイズや形式は合っているか
まずは基礎的な画像のサイズや形式についてチェックしましょう。
【その2】目的や内容に沿ったものか
今回の目的や内容に沿ったものかを判断します。純粋なデザインの良し悪しだけでなく、そのデザインで目的が叶えられているかを確認しましょう。
【その3】グラフィックデザインのクオリティは高いか
ポートフォリオと課題審査を見て、グラフィックデザインのクオリティについて評価しましょう。
【その4】会社のイメージや雰囲気に合っているか
職業としてのグラフィックデザイナーは、その企業のイメージや雰囲気に合う作品を作れなければいけません。ポートフォリオが企業のイメージと少し離れていても、提出した課題が企業が求めていたものとしっかりマッチしているというケースもあります。臨機応変に柔軟な対応ができるグラフィックデザイナーは優秀です。
【その5】ルールを守れているか
必須項目は見落とさず、ルールをきちんと守れているかをチェックします。課題用の素材を使っているかもチェックしましょう。
【その6】締め切りは間に合ったか
実際のグラフィックデザインの現場では、スピードが命と言われます。納期までに作業がこなせるかが重要なチェック項目となります。
【その7】企画力やオリジナリティはあるか
自由度が高い課題審査の場合はグラフィックデザイナーの企画力やオリジナリティを読み取ることができます。「もっとこんな風にして発信していきたい」「〇〇〇を改善して、差別化していきたい」などの姿勢が表れていた場合、意欲が高いと判断して良いでしょう。
応募総数が少ない時の<実技審査>
課題審査以外では、応募者を集めてその場で課題を制作してもらう実技審査をするという方法があります。実技審査には審査のための時間がかかってしまうので、応募総数が少ない時向けです。
例えば、このような形式で実技審査を出します。こちらも参考にしてみてください!
対象:履歴書やポートフォリオ審査を通過したグラフィックデザイナー
【実技審査のお知らせ】
【内容】ポストカード作成
【日時】〇月〇日〇時~
【場所】弊社の本社ビル〇〇〇7F
【制限時間】〇分
【内容】
「〇〇〇」を知らせるポストカードを作成してもらいます。
必要な素材は、全て弊社で用意します。
実技審査の際のチェック項目は?
対面で行う実技審査では、グラフィックデザイナーのマナーや作業スピード、コミュニケーション能力なども確認することが出来ます。実技審査で抑えておきたい4つのチェック項目を解説していきます。
【4つのチェック項目】
【その1】一般常識やスケジュール管理能力はあるか
課題審査はメールや郵送でOKですが、実技審査の場合は来社してもらいます。遅刻をしないことは社会人としての一般常識。採用後のグラフィックデザイナーは、多忙な毎日の中でスケジュールを上手く組み立てる能力も必要になります。ギリギリに行動せず、前倒しで行動できるグラフィックデザイナーを採用したいですね。
【その2】マナーは身についているか
マナーがきちんと備わっているグラフィックデザイナーは好印象。選考に訪れた際の服装や、制作に使用する機器の使い方などを確認しましょう。ちなみにグラフィックデザイン業界の服装は、私服またはオフィスカジュアルという傾向があります。
【その3】作業スピードは早いか
作業スピードの早さも重要です。課題審査とは違い、実技審査はリアルタイムで作業している所を見られるのがメリットです。
【その4】効率的に作業しているか
実際にグラフィックデザイナーを採用してからは、ひとつの作業をこなしてもらうよりも同時に複数の作業をこなしてもらうことが多いかと思います。すぐにできるものから取り掛かるなど、効率的に作業できるグラフィックデザイナーかを見極めましょう。
さらに、先ほど課題審査のチェック項目で述べたように
- サイズや形式は合っているか
- 目的や内容に沿ったものか
- グラフィックデザインのクオリティは高いか
- 会社のイメージや雰囲気や合っているか
- ルールを守れているか
も実技審査で確認することが出来ます。
ただ、短い制限時間内での実技課題だけでは企画力やオリジナリティを判断するのが難しいかもしれません。もし時間が取れるようであれば、15~30分程度の実技審査と、前述の課題審査を実施してみてはいかがでしょうか。
実技審査や入社までに揃えたいソフト
グラフィックデザインの作業では主にイラストを描くためのIllustrator(イラストレーター)、写真を加工するためPhotoshop(フォトショップ)というソフトを使用します。Web関係の仕事も頼みたい場合はDreamweaver(ドリームウィーバー)もインストールしておくと良いでしょう。
ソフトについてやインストールの方法など詳しくは、Adobe(アドビ)公式サイトをご覧ください。
さいごに
初めてのグラフィックデザイナーの採用がうまくいかず「伝えたいことをきちんと伝えられなかった」、また逆に採用されるグラフィックデザイナーは「初めて会う企業なので、実技審査では緊張してなかなか本来の力を発揮できなかった」というケースがあるかもしれません。
株式会社ビビビットでは、双方のミスマッチをなくすため、企業と就職活動中のグラフィックデザイナーを結ぶ「ViViViT(ビビビット)」を運営しています。求職者からの応募はもちろん、ポートフォリオを見て企業からスカウトすることができます。今後のグラフィックデザイナーの採用に「ViViViT」を是非使ってみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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