「どんなデザイナーになりたいのか」「どうしてこの会社で働こうと思ったのか」「これまでの実績と提示された年収は見合っているのかどうか」「社風はフィットするかどうか」このように、就職・転職活動の際に企業を選ぶポイントは人それぞれ。
特に職人気質のクリエイターが多いデザイナー職において、自分のバリューを発揮できる環境であるかどうかは、これからのキャリアを考えるうえでも重要な要素です。
では就職・転職活動を行う際、デザイナーは企業のどういった部分を判断材料にしているのでしょうか?
デザイナー以外にも多くあてはまる、企業選びのポイントをご紹介します。

デザイナーの企業選びのポイントは?

やりたい仕事ができるかどうか

デザイナーといっても「Webデザイナー」「プロダクトデザイナー」などさまざまですが、いずれにしても総合職として求職している人より、やりたい仕事を明確に持って職業を選んでいます。ですから企業選びの際は、「その企業で何ができるのか」「それは自分のやりたいことかどうか」を重要視しています。

また、自分の実績を活かせるかどうか、経験したことのないデザイン領域にも挑戦できるかについても判断のポイントになっているでしょう。

会社の経営理念に共感できるかどうか

今後のキャリアを考えるうえで重要となるのが、会社の経営理念に共感できるかどうか。経営理念には、企業における事業や活動に関する「考え方」「価値観」「想い」が詰まっています。職場で働いているメンバーや会社のカルチャーに大きく影響しているため、共感できるかどうかは大きなポイントと言えるでしょう。

職場の雰囲気や同僚はどんな人か

「スキルの高い人と働きたい」「外国人スタッフの多いグローバルな環境で働きたい」など、人によって職場に求めるものはさまざまです。しかしいずれにせよ、職場の雰囲気があまり良くないと働きづらくなってしまいますよね。

面接の際には業務内容だけではなく、社内の雰囲気やどんなメンバーがいるかについて説明する時間をとりましょう。
働いているメンバーのデザインスキルや特別な実績、男女比や平均年齢といった情報を示してみるのも良いでしょう。事前に多くの情報を知っている方が親近感や働くイメージが持て、内定も承諾しやすくなります。

働く場所はどこか

“働き方改革”が話題となっている近年、会社都合での転勤も疑問視されてきており、働く場所がどこかを重視する声は非常に多くなってきています。
「職場が都心にあるか」「海外勤務はあるか」「出張はあるか」などはもちろん、リモートワークができるかどうかも重要なポイントです。
特にデザイナー職は、会社に出社しなくても作業ができる仕事も多く、強制的に毎日出社しなければならないことを疑問視する声もあがっています。
採用されたらどこで働くことになるのか、リモートワークは可能かを求人票にきちんと記載しておきましょう。

福利厚生の充実度

企業の規模や文化にもよりますが、メンバーが少しでも気持ちよく働けるよう、手厚い福利厚生を用意している企業はたくさんあります。「住宅手当」「ジム手当」「非喫煙者手当」「ランチ手当」など、福利厚生の充実度も就職先の決め手になることがあります。

このほか、「ウェディング休暇」「誕生日休暇」など変わった休暇制度を取り入れている企業も。魅力的な福利厚生は、社員を大切にしている企業ということをアピールできるため、求職者からの信頼度も上がります。

給与はどれくらいか

就職や転職にあたって、どうしても気になるのはやはり給与面。給与があまりに低いと、「スキルをきちんと評価してもらえない」とデザイナーの意欲を削ぎかねません。

中途採用の場合は、「前職よりも担当する業務内容は多いのに、給料が下がってしまう……」となってしまうと転職する気もおきませんよね。スキルや実績、ポテンシャルを加味して、お互いに納得のいく給与の擦り合わせをきちんと行いましょう。

本当にそれが候補者に刺さる自社PR?

2017年4月の有効求人倍率はバブル期を超える1.48倍。企業は選ぶ存在から選ばれる存在へ変わっているのです。厳しい採用市場に打ち勝つためには、企業は候補者に刺さる自社の魅力をPRしなければなりません。

大手企業だからといって安定が約束されているわけではない現代。求職者が魅力に感じるのは「給与が高い」「知名度がある」ということだけではなく、「働きがい」「社会で果たす自分の役割」「会社のビジョンやカルチャー」という面に変わってきています。

アピールすべき情報

<ハード面>

  • ブランド・・・企業の知名度
  • 待遇面・・・給与/福利厚生/年間休日/制度

<ソフト面>

  • やりがい・・・仕事内容/価値観/社会貢献
  • ビジョン・・・経営理念
  • 人やカルチャー・・・一緒に働く人/職場の雰囲気


採用担当者は、自社のアピールポイントを求職者の特性に合わせて伝えるスキルが必要不可欠。そこで重要になるのが、徹底的に自社の魅力を理解すること。まずは自分が会社をいちばん好きになることで、自然と魅力をアピールすることができるはずです。

また、求職者と接する機会が多い採用担当者がいきいきと働いていることは、何よりのPRとも言えるでしょう。

気になる候補者が複数いる場合は?

採用活動を続けていると、「一緒に働きたいと思える候補者が複数いて決めきれない……」という状況も起こりうるもの。採用活動で失敗しないためには、まず下記の情報をもとに面接を行うことが大切です。

  1. 候補者の希望年収と現在の年収
  2. 自社への意欲
  3. 自社への懸念
  4. 候補者に刺さるポイント

可能な限り、面接の前に(1)〜(4)の情報を入手し、頭にインプットした状態で面接に臨みましょう。
とはいえ、それでも候補者を絞りきれずに悩んでしまう場合は「自社のプロダクトやサービスに深く興味を持っているか」をポイントにすると良いかもしれません。

合否を決めきれずに連絡が遅くなってしまう場合は、いつまでに連絡するかを電話やメールで候補者にしっかりと伝えましょう。

さいごに

採用活動では、求める人材にきてもらえる、魅力的な会社であることをアピールすることが重要です。ただ、良い面ばかりを伝えるのではなく、これから改善していく悪い点も共有することも大切。会社のマイナスポイントにも納得した上で、一緒に会社を盛り上げてくれる人材に巡り会えることが、一番の成功といえるのではないでしょうか。

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