言わずと知れた、漫画やイラスト、小説などの作品を投稿できるコミュニケーションサービス「pixiv(ピクシブ)」。その運営を行うピクシブ株式会社では、明確な「こんな人と働きたい!」という像を持って、さまざまな工夫を凝らして採用を行っているそうです。今回は、そんな同社で人事をされている川上さんに、そのこだわりをお伺いしてきました。

川上絵理/ピクシブ株式会社 人事
前職ではキャリアコンサルタントとして転職のサポート業務を経験。その後ピクシブの持つコンテンツに魅力を感じ、2016年に入社。以降は新卒採用をメインに担当している。学生時代はチアリーディング、社会人になってからはアメフトチームのスタッフとして活動するなど、スポーツに興味が深い。

学生と接点は多く、コミュニケーションは丁寧に。

ーデザイナーの新卒採用の目標人数は何名ですか?

デザイナーは毎年採用しているわけではなく、目標人数の設定はしていませんが、エンジニアやデザイナーを合わせた技術職は毎年10名程度新卒で採用しています。
目標を設定していないのは、採用する方の内面や経験を重視しているからです。

ー内面というと、具体的にはどのような点を重視していますか?

その学生がこれまで考えたことをアウトプットしてきたかどうかに注目しています。
「やりたいと思っている」と口に出すだけでなく、「やりたいと思って、やった結果がこうだったから、次にこう変えました」というふうに。自分でちゃんと行動をしてきた人、ものをつくってきた人と一緒に仕事がしたいと考えています。
Webサイトの制作やアプリサービスの開発といった形のあるものづくりだけでなく、団体の立ち上げやイベントの企画なども含めて、自分の手を動かしてきた人ですね。

ーそのような面を重視されているのは何故ですか?

弊社では、仕事内容や役割に社歴や年齢は関係ないんです。2016年の12月に新しくリリースしたサービスも、その立ち上げをゼロベースから担当していたのはその年の新入社員でした。
「pixiv」はユーザーが約3800万人いる規模の大きいサービスで、その運営にはいくつものプロジェクトがあり、それぞれ10名程度のチームで担当しているんです。そのチームのなかで何らかの役割を担い、協力しあって活躍するためには、自主的に行動できる人材であることが重要なんです。
また、「ユーザーにとっていちばん良いものを提供する」ということを念頭においたときに、自分がどういう動きをすることがベストなのかを考えて、行動にうつせるという点も期待しているポイントです。

ーこれまでデザイナーの新卒採用をされてきて、課題に感じていることはありますか?

企業規模やサービス規模がもっと大きい他社と、弊社とで迷う学生が多いことですね。大手インターネット広告会社やゲーム開発を行う東証一部上場企業など、名前が知られていて、魅力的なサービスを運営している会社さんとよく比較されます。
その際に弊社を選んでもらえるように、まずは学生に魅力を感じてもらうことが大切だと考えています。

ー魅力を伝えるために、どのような工夫をとってこられましたか。

「ピクシブに入社したら何ができるのか」「デザイナーとして何を実現できるのか」を丁寧に伝えるようにしています。またそれ以前に、そのことを伝えるための接点を持てる場所を、たくさんつくるようにしています。

例えば、会社内のイベントをたくさん企画しています。毎週水曜日には全社員が集まり一緒にランチをする「ランチ会」を行っていて、そこに学生を招待することがあります。
エンジニアに関しては、毎週金曜日に社内向けの勉強会を開催しており、そこにも学生を招待することが可能です。インターンも毎年実施していて、最近では「クチコミで来ました」という学生も増えてきました。

さらに、積極的に会社の外に出ることも意識しています。内定者から後輩や仲の良い学生を紹介してもらい、大学まで出向いてピンポイントで会社の説明や紹介を行います。
内定者と関係性が近い学生は経験や思考が会社に合っていることも多いので、内定者が所属しているコミュニティに入り込んで学生と関わりを持つこともあります。

内定率の高さは、ダイレクトリクルーティングならでは


ーデザイナー採用ではどんなツールを使われていますか?

元々デザイナーは自社の採用サイトから、中途採用を中心に行っていました。しかし18卒から「新卒のデザイナーを採用したい」という要望が現場からあがってきたため実施することになり、さまざまな採用ツールやサービスを探したんです。
そのときに見つけたのが、ViViViTです。採用をする際に学生のアウトプット経験を重視している私たちには、ポートフォリオを見た上で声をかけられるというダイレクトリクルーティングの手法がとても合っていると思いました。

ーViViViTを用いた選考フローはどのようなものですか?

社内のデザイナーがViViViT上のポートフォリオを見て良いと思った子をスカウトし、マッチしたら面談をします。面談ではデザイナーも同席し、ViViViT上だけではわからない作品の制作意図や工夫した点を聞くために、ポートフォリオを持参してもらっています。
そこでこちらも会社についてお話しして、お互いに相性が良さそうであれば選考に進みます。

ーViViViTで採用を進めるなかで、気を付けている点や工夫している点は何かありますか?

ピクシブのデザイナー業務はUI/UXデザインなのですが、サービスでイラスト・漫画を扱っていることもあって、ピクシブの社員も主な業務はグラフィックだと思っておられる方が多くいらっしゃいます。だから学生にはいちばんはじめに、本来の業務内容をしっかりと認知してもらうことを心がけています。
ViViViTの自社ページに細かく記載することはもちろんですが、マッチしてメッセージを送る際にも「いまこういうポジション・業務内容で採用をしている」と伝えた上で、インターンや面談に誘導するようにしています。
面談でも改めてそういったお話をきちんと伝えてすり合わせすることで、ミスマッチがなくなるように工夫しています。

ーViViViTでの採用実績はいかがですか。

18卒はデザイナー3名のうち2名をViViViT経由で採用しました。50名程度の学生をスカウトして、そのうち選考に進んだのが7名、内定に至ったのが2名です。
総合職の新卒採用で説明会を実施したときは、約1000名が選考に進んだにも関わらず内定が0名ということもあったので、ViViViTでの内定率はとても高いなと感じています。出会いたい学生にぴったりと出会えるから、結果につながるんですね。

ー現在はデザイナーの新卒採用を積極的に行っていないと伺いましたが、ViViViTではどんな職種を募集されているのですか?

総合職の採用でViViViTを利用しています。弊社では出版社や、キャラクターライセンスを取り扱う企業、ゲーム会社等とタイアップしてWebやリアルでイベントを企画する事業も行っています。ViViViTに登録している学生には自分で個展を企画して運営・開催をした経験がある方も多いので、イベントの企画運営に興味のありそうな子をスカウトしているんです。
弊社はクリエイターに関わる会社なので、デザイナーとしてではなくても、美大・芸大や専門学校の方々が学んだことを活かして活躍していただけます。ViViViTを使って、総合職の採用でもよい結果に繋がればいいなと思っています。

最後に

自ら考えて行動してきた学生を採用ターゲットとするピクシブ。アウトプットした成果物や経験を見てからスカウトできるViViViTを活用し、効果的・効率的な採用活動を行っていました。
社員を巻き込んでのイベントや、内定者を通じた学生との積極的な関係づくりに工夫をし、本当に良いと思った人しか採用しない。
採用人数ではなく、しっかりとマッチする学生の採用を目標にする姿勢は、ダイレクトリクルーティングという手法にぴったりですね。

<取材・執筆・撮影:まついあいり>
<編集:シンドウサクラ>