今回の採用成功インタビュー:株式会社アドウェイズ
アドウェイズは、国内最大級のアフィリエイトサービス「JANet」「Smart-C」の運営をはじめ、全自動マーケティングプラットフォーム「UNICORN」など、幅広く事業を展開しています。
デジタルクリエイティブの需要拡大とともに、デザイナー採用にも力を入れる同社。今回は、現場の協力体制をつくるためのマネジメント方法、新卒採用イベント「ビビビット展」の活用方法を中心に伺いました。
▼テーマ
採用に「現場を巻き込む」マネジメント術
▼課題
・現場デザイナーの新卒採用への関心・協力が少ない
・デザイナー採用に人事がコミットできていない
・内定辞退が毎年数件発生
▼対策
・「採用は現場デザイナーのため」という目的を徹底的に伝える
・現場デザイナーと人事の連携体制を見直し
・求職者との初期接触の段階で、しっかり相性確認
▼成果
・計4名を採用、うち1名は「ビビビット展」経由
・「新卒採用の仕事って楽しい」現場に当事者意識が芽生える
・内定辞退がゼロに
デザイナー新卒採用は夏スタート、優秀層と早期接触
ーーまずは、デザイナーの新卒採用や組織体制について教えてください。
遠藤さん:
デザイナーに限らず、新卒採用自体は10年以上前から行っています。状況によって断続的ではあるのですが、2013年からは毎年行っています。「企業文化を浸透・継承させる」というのを意識していて、それはデザイナーも同じです。広告企画営業職だと50名以上採用する年もあり、新卒採用の文化が根付いています。
会社全体の従業員数は1000名ほどで、うちデザイナー組織には80名強が在籍しています。70名ぐらいは広告制作のデザイナー/ディレクター、残りは自社サービスやプロダクトのUX/UIデザイナーですね。
ーー21卒採用は、どのようなターゲットを設定されましたか?
遠藤さん:
募集職種は3つで、グラフィック/Webデザイナー、アートディレクター、UX/UIデザイナーです。
新卒共通の求める人物像は、「環境にとらわれず自走できる」「柔軟な思考を持ち、自ら考え行動に移せる」です。企業文化の継承や組織の活性化も目的なので、入社2,3年目に戦力になれば良いと考えています。
アドウェイズのデザイン組織では「デザインの力で課題解決に取り組む」ということをビジョンとしています。なにかを解決するための手段としてデザインを活用する、つまりは目的から考えるということです。職種問わず、そういったビジョンに共感してくれるデザイナーを採用したいと考えていました。
ーーそのターゲットに沿って、いつ頃から動き出されたのでしょうか?
遠藤さん:
一番早いのが、8月~9月のサマーインターンと「ビビビット展」(第6回・2019年7月開催)です。
次は秋頃にポートフォリオ相談会というイベントを実施して、ポートフォリオの作り方や先輩ポートフォリオの考察を行ったり、大学ゼミ内でセミナーを実施させていただいたりしました。冬の「ビビビット展」(第7回・2020年2月開催)も参加しました。
早期にたくさんの学生へ声を掛けて、その後の会社説明会へお越しいただいています。
現場を巻き込むには、採用の「自分ごと化」
ーー採用活動で、特に意識された点はありますか?
遠藤さん:
現場デザイナーと人事の連携ですね。私たちのコミュニケーションってとても濃くて(笑)。正直、今までの採用活動はデザイナー業務の片手間になってしまっていて、専任の人事もいませんでした。技術職担当というくくりで、エンジニア採用も兼任していたんですね。
各採用によりコミットするため、今回の21卒採用から人事を増員し、二村がデザイナー専任人事として着任してくれました。二村主導でインターンを進め、採用活動に深く入ってくれて。私のプレゼンは100回くらいは聞いてると思います(笑)。私のこうしたいっていう想いも具現化してくれました。採用業務の専門知識は私にはないので、二村には本当に助けられましたね。
二村さん:
新卒採用を上手く進めるには、現場社員の協力が必要不可欠だと考えています。「組織全体で新卒採用をやる」という、文化や体制がとても大事です。
採用業務の縦割りができたのも良かったです。「現場はここだけに集中して!人事はその周りを全部やるから!」というように役割を分けて、でもルールにとらわれすぎずに「それ以外のところはやりません」ではなくて。
しっかりコミュニケーションを取り、補完し合いながら連携できたことが21卒採用全体を通してとても良かったです。今回に限らず、今後も密に連携をとりながら動いていきたいですね。
ーー「連携」が重要なポイントになりそうですね。体制作りのために、工夫されたことはありますか?
遠藤さん:
DeNAの南場さん(株式会社ディー・エヌ・エー創業者)の考え方がとても好きなんですけど(笑)、南場さんが書いた本で「経営の基盤は採用から」という言葉に影響を受けていて。本当にその通りだなと実感しているので、毎年新卒採用には力を入れるようにしています。
現場の負担にならないよう、採用活動の大枠は私と二村で作りました。そして、まずはじめに「5年後10年後、私たちや組織にとってメリットがあって、もっと成長できるような組織にしていこうよ」というメッセージを現場デザイナーに伝えました。耳にたこができるくらい(笑)。新卒採用はあくまでも、私たちが目指しているゴールに向けての一つの手段という位置付けですね。
何度も熱量高く言い続けると、はじめは疑問を持っていたメンバーも次第に共感してくれて。目的は自分たちのゴールに向かうことなので、ちょっとしたお手伝い感覚ではなく、みんな当事者意識を持って協力してくれました。
ーー素敵なチームですね!現場デザイナーとして、伊藤さんはどうでしたか?
伊藤さん:
事前に新卒採用の必要性や目的の共有があったので、チームで同じ方向を向いて臨むことができました。また、他のメンバーに新卒採用関係のお願いをする際も、既に遠藤の考えが浸透していて動きやすかったです。
『ViViViT』の運用に関しても、ほぼすべての裁量を与えられていたので、自主的に考え動くことができました。イベントを実施する際には、『ViViViT』内でイベントを周知するためのコンテンツを新たに作るなど、イベントと『ViViViT』の相乗効果を出すことにも注力しました。
『ViViViT』でやり取りさせていただいた学生とイベントなどで直接お会いすると、はじめから親近感があって、つい積極的に話し掛けてしまいましたね(笑)。
遠藤さん:
伊藤は事務作業的な感覚ではなく、主体的に『ViViViT』を運用してくれました。新しいデザイナーを採用するために運用戦略から考えてくれたので、非常にありがたかったです。
現場デザイナーには、忙しいなか時間を作ってもらい、地方へ出張もしてもらいました。内定が出て、新卒が自分たちのチームで活躍してくれると、「新卒採用のメリットが理解できた!」「新卒採用って楽しい!」と思ってくれるようになりました。リターンを感じてくれるメンバーがいるからこそ、連携を続けられるのかなと思います。
内定辞退ゼロ、初期接触から「相性確認」
ーーそれでは、今回の結果を教えてください。
遠藤さん:
結果として、グラフィック/Webデザイナー2名、アートディレクター1名、UX/UIデザイナー1名の計4名採用できました。グラフィック/Webデザイナー2名のうち1名は、「ビビビット展」(2020年2月開催)でお会いした方です。
昨年は内定辞退がいくつかあったので、今年は初期接触の段階で組織の課題や今後のビジョンをしっかりと話して、アドウェイズへの理解を深めてもらえるよう気をつけました。その甲斐あって、今年は内定辞退者を一人も出さずに、弊社を第一志望としてくれた方を採用できました。
ーー『ViViViT』を使ってみて、いかがでしたか?
遠藤さん:
『ViViViT』の登録学生は、ベースのスキルがやっぱり高いです。年々上がっているなと感じます。秋頃の時点で、完成度の高いポートフォリオを持って来てくれたりしました。
あと、就職活動に対する意欲も高い印象です。色々な会社のインターンに参加して、企業研究もちゃんとやっていて。一つひとつの企業をしっかり見ていて、「なんとなく受けた」という方はいませんでした。
ーー取材させていただき、ありがとうございました!今後も、現場メンバー一丸となった御社らしい新卒採用を期待しています!
【インタビュー付録】
「ビビビット展」で成果をあげるコツとは?
ーービビビット展(2020年2月開催)は、どのような体制で参加されましたか?
山田さん:
2日間の開催で、1日に2名ずつの計4名で参加しました。私は2日目に参加したんですが、1日目参加のメンバーに「誰と話した?」って訊いたり、逆に「あの学生が気になるのでもう一回話してください」って共有をもらったりして臨みました。
「ビビビット展」の出展学生は、通常の応募フローの学生よりも本当にハイレベルで、ついつい一人ひとりと話す時間が長くなってしまうので。出展学生と満遍なく話すために連携しました。
ーー作品の評価基準はありましたか?
山田さん:
アドウェイズの「業務に合うかどうか」ですかね。前回のビビビット展にデザインが突出して上手な方がいたんですけど、ただ尖がったセンスの作品が多くて……。弊社には幅広いクライアントがいるので、レベルが高くても独自色が強すぎると弊社の業務にはちょっと合わないかなと思います。
根本のセンスはもちろん大事なんですけど、アートではないので、「なんのためにデザインをやっているのか」「どういうことを考えてデザインしたのか」といった目的思考は重視しています。
ーー様々な企業が参加されるなかで、自社を覚えてもらうために工夫したことはありますか?
山田さん:
たまたまなんですけど、ゼブラ柄の服を着てたのでインパクトはあったと思います(笑)。
意識したのは、まず学生の話をよく聴いて、弊社とどこがマッチするのかを見つけてあげることですね。一通り作品説明をしてもらったあとに、「〇〇さんのこういう能力は活かせると思います」など結び付けて話したりしました。採用したら一緒に働くことになるので人柄は一番重視していて、人柄も含め相性の良さも結び付けて伝えました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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