「ブランディング」という言葉を聞いたことはありますか?企業におけるブランディングとは、企業のイメージや品格、つまり「ブランド力」を高めるためにさまざまな施策を行うことです。
一方でインナーブランディングとは、企業が自社の理念やビジョンを社員に理解してもらい、価値観を社内全体に浸透させるための取り組みのことです。
今回は2018年10月30日(火)に行われた、<ビビビセミナーVol.1「クリエイターへのインナーブランディング戦略」byビジネス部デザイン課CreativeHR研究室>のセミナーレポートをお届けします。
株式会社ビビビットが運営するメディア「ビジネス部デザイン課」に所属する組織。
クリエイティブ×人事についての知見を広めるために、研究員同士が情報交換をし合うビジネス部デザイン課のコミュニティです。
日々の情報交換や月1回のセミナー、研究員限定のセミナーや交流会があります。
クリエイター採用でお困りの方や、クリエイターの雇用・待遇でお悩みの方に加入いただき、全国のクリエイター採用の問題を解決していきます。
コミュニティへの参加方法などは、今後随時お知らせして参ります!
今回は、その活動の記念すべき第1回。「ビビビセミナー」を開催いたしました!
登壇者の黒田さんは、開催企業である(株)ビビビット代表の小宮と学生時代から親交があったそう。「学生時代は『ベッカム』と呼ばれていたが、久々に会ったら『イニエスタ』と呼ばれた」という大ウケ(?)の掴みでセミナーがスタートしました!
クリエイター採用に必要な「インナーブランディング」とは
「まず、みなさんの組織にいらっしゃる、クリエイターの方々とはどんな人でしょうか?」という問いかけから始まった本セミナー。みなさんは、クリエイターの方々の育成やマネジメント、クリエイターにクリエイターのマネジメントをしてもらうことに、困ってはいませんか?
そもそもクリエイターとは、総合職でサラリーマンになった方々とは異なり、自分のやりたい仕事をはっきりと選んで働いている方が多いです。そのため、いずれはフリーランスを目指していたり、帰属意識が低かったりする場合も。
突出して優秀なクリエイターこそ、採用して定着させ、マネジメントもできる人材に育成することは非常に難しいそうです。
そこで重要になるのが、黒田さんの専門とする「インナーブランディング」。会社として高いビジョンを掲げることで、得られるメリットは多く、ひいては会社の売上向上に繋がります。
確かに、現在も成長を続ける老舗企業の多くは、経営理念自体が有名である企業が多いことに気が付きました。
インナーブランディングがしっかりと行われ浸透していると、社員は問題が起きた時に、理念に照らし合わせてやるべき行動を判断できるというメリットもあります。何かミスが起きた時、素早い対応を行うことで、世間から逆に賞賛されるという例もありますよね。
では、そのために実際に何をすればいいのか?というと、まずは会社としての理念を言葉で定めること。何を目標にして、どのような価値観をもっているのか。具体的な言葉にして、伝える必要があります。
さらにある会社では、経営理念とは別に毎年スローガンを掲げて、それに向かって1年間徹底的に行動するそう。スローガンに掲げる言葉は、後述する「wevox」というツールを分析した上で明らかになった、強化すべきポイントを基に定めているそうです。
「従業員エンゲージメント」を指標にする
理念を言語化したからといって、急に社員に浸透し、定着率が良くなるかというとそうではありません。社員が働きやすい、働きがいがあると思える会社になるためには、継続的に施策を行う必要があります。例えば黒田さんの会社である株式会社揚羽では、「wevox」というツールを利用しています。
これは、給与や健康などの項目に対して定期的に社員に調査を行い、従業員エンゲージメントをはかるツールです。
そもそも従業員エンゲージメントとは何かというと、実はさまざまな定義があります。
言葉での定義づけはわかりにくいですが、これは従来の「従業員満足度」と一線を画す指標として注目されています。
「従業員満足度」は、会社が提供する環境や福利厚生、理念やマネジメントに社員がどれだけ満足しているかを測ります。しかしそれが必ずしも、会社が求める理想的な行動に繋がり、売上が向上するとは限りません。
しかし「従業員エンゲージメント」は、組織と仕事へのやる気をはかるような指標です。そのため、従業員エンゲージメントが高いことは、そのまま会社の利益(売上にとどまらない)に繋がります。
wevoxを用いることでさまざまな要件から課題を洗い出し、従業員エンゲージメントを高めるために取るべき施策や、アプローチを行うべき個人を知ることができます。
クリエイターのみならず、社員の定着に非常に役立つツールと言えます。
会社を変えるのは、いつも熱意のある誰か
インナーブランディングや従業員エンゲージメントのことについて理解しても、「社長がインナーブランディングの必要性をわかってくれない」という場合もありますよね。黒田さんが言うには「会社を変えるのは、いつも熱意のある誰か」。
世界でもビジネスマンの意欲(=エンゲージメント)が低い日本において、そのトップである経営者の意識が自発的に変わることはそう簡単ではないでしょう。むしろ、トップダウンで会社の改革を行うことで、社員の反発が起こることも。
熱意のある人が会社を変えるために動き、時には外部を活用することで、会社を変革させることができます。
参加者からの質問
インナーブランディングが、会社を強くする
特にクリエイター人材においては、優秀であればあるほどどこからも引く手数多。魅力的な会社になることで、「この会社にいたい」と思ってもらえることが重要なポイントです。
インナーブランディングによって従業員エンゲージメントが高まり、多くの社員が定着することで会社の業績と評判が上がると、人材は自然と集まってきます。
「この会社で働きたい」と思ってくれる人材が増えれば、それはそのまま採用の成功に繋がります。
インナーブランディングは、結果的に採用・定着・業績向上のすべてに関わる重要なポイントなのだとわかりました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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